エーザイ株式会社(4523)の株を買うべきたった1つの理由



2019年7月17日、エーザイ株式会社(4523)は抗がん剤「ハラヴェン®」 が局所進行性または転移性乳がんに係る適応で中国当局より承認を取得したことをプレスリリースで公表した。ハラヴェンといえば、レンビマに次ぐエーザイ株式会社(4523)の主要製品であり、年間売上高は国内で94億、米国で164億、欧州で127億円、全体で413億円にも及ぶ。

つまり、主要製品であるハラヴェンが主力市場になり得る可能性のある中国にて承認されたと言う事実は、実は驚きのことであるのだ。それにも関わらず、エーザイ株式会社(4523)の株価といえば、2019年3月21日付で認知症の新薬であるアデュカヌマブが第III相試験中止を発表して以降、悲壮感が漂っている。

なぜなら、2010年ピーク時の売上高3200億円の認知症治療薬であるアリセプトの後継者探しを市場は期待しているからである。しかしながら、エーザイ株式会社(4523)が開発する認知症の治療薬はアデュカヌマブ以外にもBACE阻害剤であるElenbecestat、抗Aβプロトフィブリル抗体であるBAN2401があり、アデュカヌマブが失敗した今でもパイプライン(新薬候補)は2本残されている。



また、私見になるがエーザイ株式会社(4523)がElenbecestat、BAN2401の開発に成功しようが失敗しようが、アリセプトがエーザイ株式会社(4523)に与えた影響力をElenbecestatもBAN2401も有していないと考える。なぜなら、両剤の開発はバイオジェンとの共同開発であり、成功しようが失敗しようが利益も損失も折半する契約を締結しているからである。

つまり、市場はエーザイ株式会社(4523)への期待を認知症治療薬1本に寄せているけれど、私としては認知症治療薬以外にもエーザイ株式会社(4523)の株価に与える影響力が大きい製品は他にもあるということだ。具体的には、世界で最も売れている抗PD-1/PD-L1抗体薬であるキイトルーダとの併用療法の効能追加であったり、ハラヴェンの市場拡大であったりなどである。

そして、この度ハラヴェンが中国市場への進出が確定したという事実は、明らかに株価を上昇させる要因であるにも関わらず、市場が全く反応しなかった点は注目したい。